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ハッピージャニオタ舞台班(メルヘンタイプ)の備忘録

希望だけが待ってる場所

タッキー&翼】というグループ名のすごさ。タッキーと翼で【タッキー&翼】という、タキツバを知らない人にも日本語さえ分かっていれば説明するのがもはや野暮な、とてもわかりやすい当たり前のことが、すごい。タッキーと翼以外がタキツバにはなれない。鈴木さんと健太さんじゃタッキー&翼じゃない。それが、当たり前だということが、じつはとてつもなくすごいことだったんだなぁと、今改めて思い知らされた。

 

タッキー&翼】のコンサートに、翼さんが出られないとわかったとき、それはもう【タッキー&翼】ではないのでは?と思った。しかし幕が上がればそれは紛うことなき【タッキー&翼】のコンサートだった。よく知った感覚と思い通りの構成と。歌って踊って叫ぶファン参加型コンサート。滝沢さんはたしかに翼さんを連れてきていた。クレーンやトロッコは当たり前のように動くし、翼さんのパートは翼さんの声がするし、滝沢さんの対の位置にしっかりとライトが当たっているし。『翼』とゴシック体ででかでかと書かれたTシャツに袖を通して滝沢さんは言う。「翼の心とコンサートをしました」

でも変わりようのない事実がある。翼さんの体はそこにはない。暴れる魔物の影さえもない。ライトが跳ね返り煌々と照っていた床も、動き回るトロッコも、主をそこに乗せていない。分かっている、そこに魂があるということ。でも、見えないものは見えなくて、滝沢さんが意地と称する気概がとても心強いだけに、やり場のないさみしさを募らせてしまった。滝沢さんもその辺はちゃんと分かっていて、「100%は楽しめないかもしれません」とこちらに配慮の言葉をくれたりもして。納得しているつもりでも、拭えないものの存在を否定することはどうしてもできなかった。

 

ツアーの、最後の、最後に、翼さんがステージに上がった。きっと、とてもそれをためらったと思う。最後だけ出るなんて平等ではないし、表現に対してとことんストイックな人が、こんな弱った状態で大衆の前に立つことは、勇気のいる決断だっただろう。それでも、少しでも元気な姿を見ることができてとっても安心した。見に来られなかった人だって、翼が帰ってきたんだ!と安心したと思う*1

翼さんは、いつもの鋭い光を瞳に宿していなくて、ゆらゆらと揺れる情けない光に心配をどうしようもなく煽られた。当たり前だけど弱っていて、そんな翼さんがマイクを持ったとき真っ先にファンに謝罪をはじめて、あぁそんなこといいのに、と思いながらわたしはそれを聞いていた。病気のことなんて誰も責められないし、もうそこに立っていてくれるだけで、それだけでいい。踊るために生まれてきたような人が、踊れなくて、たいせつなステージに穴を空けてしまって、休むしかなくって…そんな状況がどれだけ不安で心許なかっただろう。「正直、心は、折れました」涙で声を震わせながら絞り出すように言う翼さんがなんとも痛々しかった。でも、それを口にできるほどには回復が進んでいるのかなぁ、と思うようにしておく。(そうでないと今でも泣きそうだ)

一度抱きしめ合った以降、翼さんが一生懸命話しているのを後ろから見守りつつ黙って聞いていた滝沢さんは、やっと口を開いたと思ったら、
「みんな、よかったねぇ」
と噛みしめるように言う。そんなの、こっちのセリフだよ!唯一無二の相方が帰ってきてくれてほんとうによかったねタッキー!と叫びたい。滝沢さんがツアー中何度も言っていた「守りたい」。滝沢さんはタキツバのことも翼さんのことも守り切ったのだ。いくらむなしい光景をつくってしまおうが、意地だと言い張ってその立ち位置を守る。翼が帰ってくる場所はいつでもここにあるんだよ、と明示するように。完璧なステージではなくても、【タッキー&翼】の場所を守るための滝沢さんの決断は、正しかったとわたしは思いたい。そして、滝沢さんがそこを守りきったから、翼さんがこうしてこのステージに立つことができたのだと。

 

〈僕のそばには星がある〉。滝沢さんを乗せたクレーンと、誰も乗っていない(しかし、翼さんの心が乗っている)クレーンが、ぐんと登り、スタンド席のアーチを撫でるような左右の動きを見せる中で、歌が響く。大サビを歌い切るとモニターがぱっと消え、無数の電飾が燦然と輝いた、あの光景はほんとうに綺麗だった。客席で灯る白と黄色のペンライトも相まって、会場が星が散りばめられた夜空となった。そんな中で歌われ続けたこの曲は、ほんとうは恋愛の曲なんだろうけれど、なんだか今のタキツバを歌ってるような気さえしてしまう。

君は僕の光でいて 僕は君の夢になろう
つなぐ手と手はなさないで
季節越えて確かめに行こう
終わらない夢の、その先を

信じる心に描こう
僕のそばには星がある

タッキーのそばには翼がいて翼のそばにはタッキーがいるんだなぁ…と大真面目に考えた。またこの場所で、次はふたりでやりたいと言っていた。この星空は翼さんにも見てほしい。滝沢さんの隣で。そんなふたりをわたしも見たいと思う。

 

僕たちはただのグループではなく、タッキー&翼という人生を選び続けてきました。

 

コンサートの終盤に流れるメッセージで、滝沢さんが記していたこと。所属している、なんて考え方は、もはやふたりにはない。【タッキー】と【翼】以外の誰も歩けない道。どんな困難があっても、ただのグループなら解散できるのかもしれないが*2人生ならばそうはいかない。乗り越えるしかない。「このピンチはタキツバにしか乗り越えられない」とは、こういう意味なのか。お互いが人生であり、手を取りながら歩き続ける。ひとりとひとりが、【ふたり】であり【ひとつ】であるという、痛いくらいにシビアで、でも限りなく素晴らしい人生。

芸の世界はときに残酷だ。ポジティブなことも、ネガティブなことでさえ、すべてが否応なくドラマになってしまう。そんな世界に幼いころから身を置いてきたふたりは、きっかけがどうであれ、出会い、隣に立ち、それを【人生】とした。ファンは、ふたりが歩く道に敷かれた石となり、路傍の木となり、それを彩り見守ることができるだろうか。滝沢さんと翼さんが【タッキー&翼】を選び続ける限り、そんな存在でありたいと、願ってやまない。

 

 

(おまけ)

僕のそばには星がある - タッキー&翼 - 歌詞 : 歌ネット

誰かの気持ちをこうだ!って決めつけるのはよろしくないけどつい重ねたり推察したり*3してしまうのが重いおたくの性で、1番が滝沢さんで2番が翼さんだったらとか思うと余計泣けてくる。ていうかこれ、いい歌だなぁ…今更だけど、うん、いい歌だなぁ…。

*1:さすがにそれは察するに止まるけど

*2:それもしてほしくないけど手段としてね

*3:ていうか妄想ですねもはや!