雑記の表紙はグリーン

ジャニオタ備忘録(語るタイプ)

call our name!

「そっそっそっ、そしてそしてぇ〜!?」「ぼくたちがぁ〜?」

 

それは突然、前触れもなく目前に現れた。屋良朝幸さんのスウィートボイスですっかり耳に馴染んでいた曲を、見知らぬ少年たちが歌って踊っていた。そのなかのひとりはわたしでもわかったんだけど、あとの3人はどっから来たの…?えっしかもこれなんて…?読むの?

当時、舞闘冠というユニットがあった。屋良さんを筆頭に身体能力の高いJr.で構成された、ダンスに重きを置くユニット。見知らぬ少年たちの名前を見たとき、てっきりわたしは舞闘冠の弟分的なユニットなのかなぁと思った。顔も声もほとんど初めて知ったけど、画面の向こうで踊る彼らは確実に身のこなしがいい。

 

そんな少年たちは、この2014年も踊り続けている。全員がアラサーと呼ばれてもおかしくない年齢に手が届きそうなところで、フォーメーションは□から△になってしまったが、それでも変わらないのはその名前だ。2008年には衝撃的だった変な名前。6年の歳月を経て、わたしはかつて少年だった彼らのことをすっかり好きになっている。軽々しく言葉を浮かべただけでは形容できない深い愛情を植えつけて、振り返りたくないほどの数字をつぎ込んでいる。

まったく想定外の未来だ。

わたしは失礼ながら、彼らがこんなに続くことを想像できなかったのだ。浮かんでは消えを繰り返すのがジャニーズJr.の宿命だと思っていて、当時のKis-My-Ft2A.B.C-Zのような目立った活躍もしていない彼らが、そんなに続くはずがない。エビキスでさえ先が見えずギリギリの闇の中を進んでいるのだ、きっと数年後にはそんな子もいたっけなぁ、なんて話になるんだろう、と。でも見当違いだった。浅ましい自分の考えを恥じるとともに、違う未来が見られることを今は心から嬉しく思っている。

 

彼らは一度、名前を変えている。メンバーのひとりが違う未来を選び、体制が変わったことが大きいのだろう。

一度まっさらになり、新たに与えられた名前は不評だった。愛着がないのはもちろん、圧倒的にダサかった。でもわたし*1はそれでいいと思っていた。頭文字に縛られた今までの名前をひとりを欠いた状態で必ずしも続ける必要はないし、一度なくなったのなら心機一転で新しい方がいい。どっちもどっちで変な名前なんだから、そのうち愛せるようになる。この事務所にいる以上ダサくない名前の方が珍しい。

新しい名前はものの十数日で取り外され、彼らにはもとの名前が再びつけられた。事務所の人に呼ばれて…となんてことないようにぽつりとこぼしていた*2。出演中の舞台*3でそれは発表され、仲間たちはおかえりー!と囃し立てたそうだ。

あっそうか。「おかえり」なのか。

 

「みんなで言ってね? せーのっ!」

 

初めての単独ステージ、本編ラスト。彼らに導かれるままその名前を叫んだ。
ああ、すっげぇ変な名前。

素直にそう思った。けれど、それでも、その名前を叫べたことがとんでもなく嬉しくて、笑って泣いていた。開演前のコールですら言いにくい、語感の悪い名前を、いいねぇもっと言って!とニコニコ喜ぶ彼らの姿がそこにあるから。ファンが呼んだ名前を全身に浴びて、万感の表情を浮かべる彼らがいるから。

 

それは他でもない、彼らの名前。「楽しかった事や嬉しかった事」「悔しかった事や辛かった事」を一緒に乗り越えてきた彼らの名前。すっげぇ変でも彼らの名前。
渡された手紙に歪なかたちで刻まれていた。彼らの手で。空間いっぱいに響き渡った。彼らの声で。

 

They武道 と書いて、ぜいぶどう と読みます。hは林翔太くん、eは江田剛くん、yは山本亮太くん、Tは永久欠番です。彼ら自身のかけらを集めて構成された、すっごく変で、とっても素敵な名前。

They武道としてスターになりたい、と彼らは言いました。

 

They武道、6周年おめでとうございます。

素敵な景色を一緒に見ていきましょう、と手を差し伸べてくれてありがとう。今まで見せてくれた景色と、これから見せてくれる景色にさらなる期待を胸に抱き、その場所に一緒に行けるよう精いっぱい応援いたします。

They武道に出逢えてほんとうにしあわせです。きみたちときみたちの愛するものがいつまでもしあわせであることを願って。

 

*1:その頃にはどっぷりファンだった

*2:滝ソロ7/26MC

*3:PLAYZONE